速読体験についての記録その四。

速読について、第四回。
前回は速読教室のレッスン形式と、その意外と堅実なトレーニング方法について書きました。今回は*****倍アップ!という売り文句について多少の解説をしようと思います。何度か書いているように訓練の効果は確かにあるので、予備知識として見て欲しいです。
本題。
「文字を読む」行為は運動行為であり、反復運動で能力向上を図ることができます。そして、運動行為ならば、数十時間程度の特訓で超越的に能力が上昇するということも少ないと言えると思います。(むろん、その道に才能を持った人は少なからず存在するのだろうけど)ただ、条件を限定することにより測定値は大幅に変動します。自分が通っていた教室の”条件”について挙げると

2-
1.前エントリの(1-2,1-3)は同じ本を用いている。
読書速度の計測は1-3の段階で行っているので、生徒は1-2の段階で課題の本を大まかに把握している事になります。
”一冊の読了時間”なら、1-2で費やした時間を加えるのがフェアだと思います。
ただ、この読書法は場合によってはかなり有効な手段だと思います。
3.読み易い本を用いている。
レッスン最終段階で用いる本は、残り時間により文庫本、又は中学生対象の伝記本になります。文庫本は吉川英治海音寺潮五郎等の歴史小説が多く、把握するのに時間のかからないものです。伝記本は言わずもがな。(もっとも、本のセレクトは速読のテクニックに集中させる為のものだと思います。)
2.提出する粗筋は1000字程度である。
1-3では理解力ぎりぎりのスピードで読書をします。が、上記の本を粗筋1000字でまとめることはかなり容易く、「極めて軽く読んでいる状態」です。
4.持久力について
速読が運動行為ならば、当然持久力の問題があります。実際に1-3で”読む”時間は1時間レッスンで約10分、2時間レッスンでは約30分です。終了時間を見越した全速力疾走での読書なので、この状態を長時間維持するのは難しいです。