夢幻紳士 幻想編 高橋葉介 早川書房

〜松の木陰で 黒い幽霊が 笑った〜
アマゾン
新刊だ新刊だっ
こんどはラブストーリー (あれれ?)
富豪の御曹司で電波機を埋め込まれた「僕」の周りに黒ずくめの男がまとわりつく。確かに夢幻魔実也なのだが。妄想が妄想を治療する。今回はまさしく「幻想編」です。
夢幻紳士のシリーズは特に好きで、その独特の間合いとか、黒基調のコントラストとか、たまに投げっ放しになってしまうところとか、はっちゃけて唐突にラスト、とかまあ好きなものは好きというヤツです。いつもより微妙に調子が狂ってる夢幻やら、なにやら異常な”僕”やら、謎がちらつきつつ、悪夢めいた短編がゆっくりと進む。「ミステリマガジン」に連載されてたもので、良く考えたらこれだけ綺麗に起承転結してるのは初めてなんじゃないでしょうか。
たまに、一冊を時間を掛けて見るのが似付かわしいと思うのです。
引き続き”夢幻紳士 逢魔編”が連載されているようなので、また一年待つよ。
高橋葉介 公式 http://yousuke.mysterious.jp/