太陽黒点  山田風太郎  廣済堂文庫

山田風太郎の昭和三十年代が舞台のミステリ。ミステリと知らなかったら展開に戸惑うかもしれない。戦後十数年を経て、「戦争で若さを費やしてしまった」「そして技能も経験も何も残らなかった」世代と「安定期に将来が見えてしまった世代」の摩擦を軸に進む。現在とは「戦後」の位置付けは全く異なっているわけなんだけども、実際にここらの世代の問題はどこまで深刻だったのだろう?ミステリのスパイス程度に使っただけなんだろうか?その辺はちょっとわからないです。
あと、廣済堂文庫の裏のあらすじを書いたヒトは山風先生に消されても仕方がないと思う。最終章のネタバレのところまであらすじを書いてくれてます。廣済堂の裏表紙はもうスルーすることにするよ?